文系から挑んだエンジニアの道──女性マネージャーが示す「未来の働き方」

#インタビュー #エンジニア #いえらぶの人

2025.04.14 MON

仕組みを創るだけではなく、自ら動き道を切り拓く。
そして、切り拓いた道を次世代に還元する。

UXエンジニアとしてプロダクトのUI/UXを決定する立場にある馬場。
プログラミング未経験からキャリアをスタートし、活躍する彼女に「未経験からベンチャーでキャリアを築くリアル」を伺いました。

株式会社いえらぶGROUP

  • 仲介商品部次長
  • 2016年新卒入社

馬場 あきほ

未経験ながら、入社1年目で新機能の開発責任者に抜擢。新卒4年目にはマネージャーに昇格。趣味はピアノ・料理・お菓子作り・筋トレ。特技はコーンスープ缶のコーンを残さず飲むこと。

公務員志望からベンチャーへ

――いえらぶで働いて10年目になりますね。

馬場 そうなんです。内定者期間も含めると、10年以上いえらぶにいます。

――入社のきっかけは?

馬場 最初からベンチャー志望だったわけではありません。新潟県出身で、首都大(現・東京都立大学)に進学したのも、公務員を目指していたからなんです。「社会の仕組みをつくる仕事」に憧れていました。

――それが今ではベンチャーに。公務員とは真逆の印象です。

馬場 たしかに対極ですね(笑)。でも、すごくいい選択だったと思っています。
公務員を目指すなかで、「仕組みをつくる」だけでは社会は変わらないと感じるようになりました。“当事者”として世の中を変える側に立ちたいと思うようになりました。

例えば、女性の働き方。行政が制度を整えても、実際の現場では活かしきれていないケースもありますよね。制度があっても、浸透には時間がかかるし、「やってる感」だけの見せかけになることもある。
だったら、自分がロールモデルになって先陣を切るほうが早いんじゃないか?と。
まず自分が道を切り拓くことで、次の誰かの選択肢を広げられる気がしたんです。

――まさに“ファーストペンギン”ですね。

馬場 そう!誰かが飛び込まないと変わらないから(笑)。
変化を起こしたいと思うなら、自分がそのポジションに立つしかない。それが一番リアルな手段だと考えました。

文系からWebエンジニアへ

――どのような就活をしていましたか?

馬場 「ベンチャー」という選択肢を知ってからは、自然とベンチャー企業ばかり見ていました。

――成長フェーズで、ポジションも空いているからですか?

馬場 それもありますが、「本気で仕事を楽しんでいる大人」が多かったからです。
チームで協力し、高い目標に向かってキラキラ働く姿に惹かれました。
そういう人たちと一緒に働きたいと思ったんです。

いえらぶに決めた理由は、「人」と「事業」どちらにも惹かれたからです。
最初は人と話すことが好きなので営業を志望していましたが、Webサービス開発に関わってみたいという想いが芽生えて、思い切ってWebエンジニアを志望しました。

――なぜエンジニアに?

馬場 内定者のときに営業とエンジニアのジョブローテーションを経験し、自分の適性が感じられたためです。先輩に褒めてもらえたことがすごく嬉しくて、「あ、これ自分の得意分野かも!」と気づきました。
文系出身でプログラミングも完全未経験でしたが、技術職に挑戦することにしました。

――入社後はどのような仕事をされましたか?

馬場 新卒1年目から、新機能の開発責任者を任せてもらいました。いえらぶCLOUDに搭載されている「チラシ自由編集機能」です。不動産会社が簡単に接客用の資料を作れるようにする機能で、設計から実装、リリース後の改善まで全部経験させてもらいました。

新卒1年目ができるレベルを完全に超えていましたが(笑)モノを作るために必要なプロセスを経験できた機会でした。たくさんの社員に支えられながら、設計から実装、リリース後の利用率向上まで行いました。

――リリース後の利用率まで見るのは驚きです。

馬場 使われなかったら意味がないですから。
社内のコンサルタント(カスタマーサクセス)にお客様の声を共有してもらって、どう改善すればもっと使われるか考えていました。マーケティングにも似た動きですね。

自分が作ったものが実際に使われて、「便利になった」と言ってもらえたときは本当に嬉しいです。
あと、漫画家さんにプロダクト紹介マンガを描いてもらえたのも、密かに嬉しかったです(笑)。

技術の壁と向き合った日々

――ベンチャー就職、未経験からエンジニア。馬場さんは常に挑戦を続けてキャリアを切り拓いてますが、不安はなかったんですか?

馬場 正直、「やるしかない!」って気持ちでした(笑)。
ただ、未経験スタートのエンジニアが社内にたくさんいたので、「自分もできるかも」と思えたのは大きかったですね。

一番きつかったのは、入社1〜2年での“技術格差”です。
自分より1〜2歳上の先輩たちとの技術力の差に圧倒されて、「この差、本当に1年で埋まるの……?」って、不安でいっぱいでした。

――はじめての挫折だったんですね。

馬場 そうですね。今までの人生はどちらかというと順調だったので、“追いつけないかもしれない”と思ったのは初めての感覚でした。
でも、「それでもやるしかない」と思って、自分の稼働時間と勉強量をとにかく増やしました。
最初は「長時間働くなんて無理!」と思ってましたけど、意外とやってみたらできて。
「あれ、自分ってもっと頑張れるかも?」って、リミッターが外れた感覚がありました。

――リスクを恐れて限界を決めていたんですね。

馬場 そうそう、リスクを考える人ほど、自分で限界ラインを引いちゃう。
でも実際は、限界って意外とずっと先にある。それに気づけたのは、すごく大きな学びでした。

意思決定できる環境で、サービスと組織を拡げる

――その後はどんなキャリアを?

馬場 粘り強く仕事と向き合ったことで「サービスをこうしていきたい」「会社をこういう方向に伸ばしていきたい」といった仕事でのやりたいことが見えてきました。

まず、新卒2〜3年目で「UI/UXチーム」を立ち上げました。
UIガイドラインの見直しや、開発フローを効率化するための専門チームで、社内のエンジニアがもっと開発に集中できる環境をつくりたかったんです。

4年目にはマネージャーに昇格し、「自分のタスク」ではなく「チームとしての成果」を考えるようになりました。
5年目からは、大学生向けの長期インターン「いえらぶBootCamp」の運営責任者として、キャリア支援にも関わるようになり、これまでに100名以上の学生さんのエンジニア就職を支援できたのが、自分の中でも誇りです。

――4年目にはマネジメントにも携わるようになっていたんですね。

馬場 はい、部下も増えてきて、エンジニアリングマネージャー(EM)としての役割も大きくなっていきました。
自分の「ものづくり力」を育てるだけじゃなく、次の世代の“つくれる人”を育てるフェーズに入った感覚があります。

それに、仕事も全力で頑張りながら、結婚もしたし家も買ったし。プライベートも夢をかなえることができて嬉しいなと思います。

――エンジニアとしても、マネージャーとしても手応えを感じられていますか?

馬場 「手に職をつける」という意味でいえば、プログラミングよりもマネジメントの方が強く感じます。マネジメントは、座学だけでは絶対に身につけられないし、お金を払っても得られない「リアルな経験」です。
いえらぶではそれを若いうちから任せてもらえるので、本当にありがたい環境だと思います。

――技術があることでの安心感もありますか?

馬場 それもあります。スキルさえあれば、今の時代食べていくことには困らないので。
フリーランスやSESなど、エンジニアはいろんな働き方があるので、食いつなぐことは問題なくできます。

ただ私は、少し攻めた表現をすれば「誰かに使われる」のではなく「自分でサービスを動かしていく」側に立っていたいんです。
誰かに与えられる仕事じゃなくて、自分で意思を持ってプロダクトをつくりたい。
上流から下流までを見渡しながら、企画、開発、改善、そしてメンバー育成――全部を担うことに、本気で向き合っています。
それが私にとって、“エンジニア”として働くということなんです。

だから、仕事にも生き方にも自信が持てる

――今後のビジョンを教えてください。

馬場 バーティカルSaaSには、対象業界の様々な情報が集約されます。このデータを活用していくことで、クライアントだけでなくその先のエンドユーザーにも利便性を提供できることが、いえらぶのサービスの魅力だと感じています。

蓄積されたデータや機能が増えれば、いっそう一気通貫型のシステムとしての立ち位置が強固になりますが、それに比例してコードやシステムの裏側のデータ処理、お客様の利用方法が複雑化していく課題も出てきます。
お客様のご要望の吸い上げスピードと、それを形にする開発スピードをもって、この課題を解決していくことが私の直近の夢の一つです。目指すのは「多機能かつシンプル」の両立ですね。
「使いやすいデザインだからいえらぶを使う」というブランディングを行っていきたいです。

――馬場さんはいえらぶを選んでよかったと思いますか?

馬場 心から、そう思います。
そして、「女子こそ、ベンチャーだ!」とも思ってます。

女性って、ライフイベントでキャリアに迷うことがあるじゃないですか。
結婚、出産、育児……その中で、「100%の力でコミットできる時間」って限られてる。
だったら、その限られた時間に“圧倒的な力”をつけるべきだと思うんです。

出産・復職を見据えて、自分に最適な働き方がわからないなら、「自分が一番働きやすい環境を、自分でつくる」――それができるのが、ベンチャーの魅力です。

――ベンチャーならではの魅力ですね。

馬場 はい。まだまだ道半ばではありますが、経験もスキルも色々積み重ねて夢をかなえることができました。ただ、やればやるほど「こんなプロダクトにしたい」「こうした仕組みを導入したい」「部下の夢を叶えてあげたい」など、やりたいことや成し遂げたいことが増えていて……(笑)。これからも自分の意見を持って、行動して、未来につながる道をつくっていきたいと思います。

――ありがとうございました。

#インタビューの新着記事