不動産DXを選んだのは「日本を前進させる」ため。トップを走り続けるエンジニアの狙い

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2024.01.22 MON

もっと世の中をよくしていくために、できることを常に考えてきました。

そのように顧みるのは、リーシング機能、電子契約といったサービスのPdMを担う坂野。
彼は新卒2年目でマネージャーと、歴代最速の昇格を果たしています。

開成中高、東大経済学部と、いわゆる「エリート街道」を辿ってきた坂野が、
新卒でスタートアップのいえらぶに入社を決めた理由とは。

株式会社いえらぶGROUP

  • 流通商品部 流通開発課 課長

坂野 嘉昭

学生時代は俳句・演劇に打ち込む。第14回俳句甲子園で全国優勝した経験も。2017年新卒入社し、エンジニアとしてVR事業のグロースに貢献。その後、商品企画・開発・セールス・コンサルティング・広報と幅広く行う。

目次
1.東大から新卒でベンチャーに入った理由
2.学生時代に育まれた、適材適所の感性
3.自分の成長は考えない。最優先にしたのは
4.未経験エンジニアが活躍するコツ
5.バイネームで、新しい世界をつくりたい

東大から新卒でベンチャーに入った理由

——坂野さんが、新卒でベンチャー企業のいえらぶに入社を決めた理由を教えてください。

坂野 いえらぶの手掛ける「PropTech(不動産×IT)」に強い興味を持ち、ビジネスチャンスを感じたことが一番の理由です。まだまだ国内で成熟していない市場であり、事業を縦にも横にも展開できる可能性に面白さを感じました。

——事業の拡がりに将来性を感じたのですね。となると、主にスタートアップに絞って就活をしていたのでしょうか?

坂野 就活の中盤から絞っていくようになりました。就活初期は、周りの影響もあって外資コンサル、外資金融、商社といった有名企業の選考に参加していました。

スタートアップとの出会いは、ゼミの友人の言葉がきっかけですね。「坂野の性格なら、ベンチャーに行った方が楽しいと思うよ」とぽろっと話してくれて、そこで初めて”ベンチャー”という選択肢があることを知りました。
スタートアップが集まる合同説明会に参加してみると、自分たちの会社が手掛けるビジネスを本当に楽しそうに話している方々ばかりで驚きました。それまでもバリバリ働いて輝いている社会人とお会いしたことはあったのですが、起業家特有の本気で夢を達成しようとする熱量に胸を打たれたことを覚えています。
この経験を踏まえて、その後はスタートアップ~ミドルベンチャーをメインに企業探しをしていきました。

——大手、外資、ベンチャーと幅広く見たうえで、最終的にベンチャーに狙いを定めたのはなぜでしょうか?

坂野 一番は自分の名前で事業をつくっていくことができる点に興味を持ちました。

大企業は、日本社会や業界の歴史をつくってきた存在といって過言ではないですし、それらがもつ仕組みや影響力は見事なものだと感じています。

ただ、欲張りかもしれませんが、私は自分の名前で事業をつくりたいと思っていたんです。だから大企業に対して本気になれなかった。

いえらぶの事業領域に進出している大企業が見つからなかったので、会社と一緒に事業を作っていけるぞと可能性を強く感じました。

——「自分の名前で」ということにこだわりをもっているのはなぜでしょうか?

坂野 今までの人生を振り返ったときに、それが楽しかったからです。一番大きなエピソードとしては、弱小演劇部を育てた経験だと思います。個々で光るものをひとつにまとめて大きなものにしていくことが、難しくもあり面白くもあり、自分にとってかけがえのない時間だと感じています。

学生時代に育まれた、適材適所の感性

——「演劇部での経験」とは、具体的にどういった経験だったのでしょうか?

坂野 中学校で演劇部に入り、部長を務めていました。
小学生の時から、人見知りなくせに目立ちたがり屋のちょっとめんどくさい子供で(笑)、目立ちたがり屋が高じて、中学校の部活は演劇部を選択しました。
しかし、この演劇部は休部から復活したばかりの弱小部だったため、先輩も部員も少なく、中学2年生のときに先輩が全員引退し、中高一貫校にもかかわらず部長を務めることになりました。部長になったときは総勢4人。常に存続の危機ではあったので、演劇に注力しつつ、部活を大きくすることにも時間を使っていきました。そのため、予算交渉、部室の改造などもやりました。
人数が足りなかったので公演をやるために他部からヘルプを呼んだこともあります。その交換条件として中3で俳句部に入部しました。その俳句部では全国優勝することができ、ちょっといい思いをさせてもらいました(笑)。

——かなり濃い経験をされていますが、大学に入ってからも演劇は続けたのでしょうか?

坂野 はい。中高は運営がメインだったので、大学では人が潤沢な場所で演劇に打ち込みたいと思い、人数もスタッフも多い演劇サークルに入りました。裏方ではなくずっと役者を続けていたので、基本的に人前で話すことに緊張しなくなり、発声する際も声が通るようになりました。これは、演劇を続けていた一番のメリットだと思っています。

——大学卒業後、役者の道は目指さなかったのですか?

坂野 演劇をずっとやってはいたのですが、これを仕事にしようとは思いませんでした。どこかメタな視点を持っている時があり、自分の能力を活かすのはここじゃないと思っていました。

——どういった能力をどのように活かしたいと考えていましたか?

坂野 どういった能力というのは難しいですが、漠然と「日本を前進させたい」と思っていましたね。世の中へプラスを与えていけるように命を使うべきだと思っていました。
東大の同期は、外コンや外銀、官僚を目指す人が多く、じゃあそこに自分がいっても大したプラスにはならないだろうと。同期のだれも行かない道で、まだ生まれていない価値を自分がつくっていくことに面白さを感じたので、それもベンチャーを選んだ理由の一つですね。
適材適所という考え方はずっと持っていたと思います。

自分の成長は考えない。最優先にしたのは

——適材適所として、まだほとんど開拓されていない不動産テックスタートアップを選択したと伺いました。内定後はどんなことをされましたか?

坂野 長期インターンや勉強会など、様々な研修に参加していました。私が内定者の時は、エンジニアと営業両方の職種体験ができるプログラムがあり、それによって職種の適性を判断していきました。両方を体験して、感じたことは「エンジニアは勉強すればできる」ということ。逆に営業は全くできませんでした。人前で堂々と話せるという強みを演劇で培ったのにもかかわらず、それだけではうまくいかなかったんです。
ベンチャーに入ったからには自分を成長させたかったので、まずは苦手な営業を経験しようと思っていました。

——最初からエンジニア志望というわけではなかったんですね。

坂野 その通りです。確かに、私は「事業をやりたい」「サービスを作りたい」とは言っていたのですが、最初から技術職志望というわけではありませんでした。

——営業職を志望されていたのに、結局新卒でエンジニアになったのはどうしてでしょうか?

坂野 当時のいえらぶが「思ったよりもベンチャー」だったからです。不動産業界にITを広めるというITベンチャーなのに、社内はアナログな業務がとにかく多くて……(笑)。当時のメンバーは、常に社外に目を向けてお客様のためにできることを全力でやっていました。それゆえ、内側を顧みる余裕がなかったんです。そのような状況下で自分ができないことをやるのは何の意味があるんだろうと思いました。
個人の成長を求めるといえば聞こえはいいのですが、それは成長するまで会社にバリューを提供できないことを意味します。それなら今自分が得意なことで会社にバリューを提供して、会社が自分を育てるのではなく自分が会社を育てる意気込みでやった方がいいと思いました。これがエンジニアになった最終的な決め手ですね。

——そして、わずか新卒2年目で課長へと昇格されましたが、評価された理由をどのようにお考えでしょうか?

坂野 「絶対にトップを走る」という気概・姿勢、実際にそれを言ってしまうビッグマウスです。自分の考えていることややりたいことを発信し続け、実行する。シンプルですが、実際に評価してもらえたポイントだと思います。

業務においては、相手からの期待にプラスアルファを付与して返すことを意識していました。言われた課題をただこなして終わりにするのではなく、やった結果がどうだったかを自分で考えてこちらの意見をもって返すことが重要だと思います。

——やって終わりにしないことが大切なのですね。

坂野 もちろん言われたとおりには作ります。けど、その上で「もっとこうしたほうがいいと思います」というような提案は常にするようにしていました。
その中には的外れでやらなくていいものもあります。むしろそれが圧倒的に多い。でも、ときどきやってみてよかったことも出てきます。そういうものの積み重ねが大事なんじゃないかな、と個人的には思いますね。

▼坂野がキャリアを語る動画はこちら!

未経験エンジニアが活躍するコツ

——では、坂野さんが思う「評価されるエンジニアの特徴」を教えてください。

坂野 大きく分けて5つあると思っています。

①正確な業界知識を持つ
プログラミングは手段でしかなく、本当にやらなければいけないのはお客様の課題解決です。お客様の業界に詳しくないと、適切な課題解決はできませんよね。

②技術的な最新の情報をインプットする
新しく出た言語や用法がこれまでとは違う良いパフォーマンスを発揮することがよくあります。そういう情報を自分で仕入れることができるかどうかも大事です。

③自社の商品を理解する
特にSaaSの場合、自分たちのサービスがどのような構成になっているのかはきちんと理解しないといけません。自分たちの前のエンジニアがどのように組んでいたかを知らないと、良い設計は出来ないです。

④営業と連携を図り、お客様のニーズを正確にキャッチアップする
先ほども言いましたが、一番大事なのは課題解決です。エンジニアはお客様と接する機会は限られていて、お客様とより近い立場にいるのは営業職の社員です。
その営業の人たちから課題をしっかり吸い上げて理解し、解釈し、システムに落とし込むことができるかどうか。ここでのコミュニケーションは必須です。

⑤自分を発信する
自分が今何をやっているのかを整理できて、それを発信することはすごく大事です。発信をすると必ずフィードバックをもらうことができます。このフィードバックこそ、エンジニアが一番成長できる種です。

バイネームで、新しい世界をつくりたい

——坂野さんの現在について教えてください。

坂野 今一番力を入れているのは、情報流通プラットフォーム「いえらぶBB」というサービスと電子契約サービス「いえらぶサイン」です。これは情報のリアルタイム性がないところを抜本から解決するサービスで、将来いえらぶの財産に繋がるものだと思っています。
このサービス領域で業界シェアNo.1を取っていけば、不動産業界自体が新しいステージに進むと確信しています。

——具体的に、そのサービスによって不動産業界はどう変わっていくのでしょうか。

坂野 例えば、レストランは空いてるから予約ができます。美容院も空いてるから予約できるし、飛行機や映画館も空いているから座席が指定できる。これを情報のリアルタイム性と言いますが、他の業界ではこれが当たり前ですよね。
しかし、不動産業界はそうではないんです。ポータルサイトに掲載されている物件を見て不動産会社に問い合わせると、「まずは店舗に来てください」と言われます。その後、実際に店舗に足を運ぶと「ごめんなさい、その物件はもう埋まりました」と言われてしまうことがよくあります。
このような無駄なやり取りが一切なくなり、空いている物件がリストアップされて、その中から自分の住みたい物件に住める。これを実現させたいです。
その後に暮らしている人たちは、これが当たり前すぎてそうではなかった時代が考えられないような新しい世界をつくります。

——ありがとうございました。最後に、文系や実務未経験からエンジニアを目指す方にアドバイスをお願いします。

坂野 まず何から始めればいいか分からなかったら、本を一冊買って一個自分でサービスを作ってみてください。開発の工程が一通りわかります。本のハードルが高ければ、ネットに無料でプログラミングの練習ができるサイトがたくさんあるので、そこからスタートしてもいいです。何が一番自分のモチベーションが続くのか実践してみてください。
エンジニアは名前だけ聞くと難しく感じるかと思いますが、文系出身でも、自分の手でモノづくりができる仕事です。私も新たな世界をつくることを目指し、今後も挑戦し続けていきます。

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