【創業者インタビュー/前編】SaaSという言葉のない時代に

2022.06.14 TUE

「いい家選ぶ、いえらぶ。」
不動産業界のDXを推進するいえらぶのミッションステートメントです。

いえらぶGROUPは、携わるすべての人にとって快適な住まい選びができる未来を目指しています。
この未来を実現するためには、不動産会社の負担の軽減や業務の効率化が欠かせません。
そのため、いえらぶは不動産会社に寄り添い、その先のエンドユーザーにも価値をもたらすことを使命として掲げています。

今回は、この使命を果たすべく、代表の岩名とともにいえらぶを立ち上げた、常務取締役 庭山の声をご紹介します。



株式会社いえらぶGROUP

  • 常務取締役
  • 趣味はドライブ
  • 二児の父

庭山 健一

マンションデベロッパーの勤務経験を活かして、代表岩名とともにいえらぶを立ち上げる。創業から現在に至るまで、代表の右腕として営業組織を牽引。商品企画にも総合的に関わり、いえらぶの事業戦略や経営戦略を成功に導く。好きな言葉はヘンリー・フォードの「成功に秘訣があるとすれば、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、相手の立場からも物事を見ることができる能力である。」

いえらぶ創業への想い

不動産業界の現場で感じた使命感

前職は、新築マンションを手掛けるデベロッパーに勤めていました。そこで独立したIT事業部が、いえらぶの前身です。
前提として2000年代は、インターネットバブルが起こるほど、インターネットの普及が急速に広まった時代です。SoftBankの孫正義社長が、さまざまな企業で「IT事業部」の立ち上げを推進するなど、「IT」は人々に求められるものとなりました。そして、前職の企業も例にもれず、組織にIT事業部を新設しました。

そのときIT事業部長となったのが、共にいえらぶを創業した代表の岩名です。彼は私の一つ年下で当時はまだ25歳でしたが、熱意にあふれ、共にする仕事はどれも刺激的でした。

IT事業部に在籍して痛感したのが、いかに不動産業務がアナログかということです。当時の私たちの最初の仕事は、Excelを導入したことです。今では到底考えられませんが、それだけで「IT化だ!」となっていました(笑)。

不動産×ITを推進する意義を実感

不動産業界には対面を要とする場面や手作業でやらざるをえない事務など煩雑な業務で溢れています。
そのため、もともと不動産会社には真面目でお客様想いの方が多いにも関わらず、忙殺の結果、お客様に不信感を抱かれてしまうような悪循環が蔓延していました。
そんな局面を間近で見ていたから、業界を変えたい、という気持ちが非常に強くなりました。
そうしてIT事業部の仕事に没頭していく中、創業のきっかけとなる出来事がありました。社内の役員から独立を薦められたのです。

岩名も当時は社内でのIT事業部拡大を目指していましたが、これをきっかけに、創業に繋がる展望が見えてきました。
改めて事業の意義を実感し、周囲の支えもありながら、いえらぶを創業しました。

立上げ当初の仕事

ホームページ制作を仕組化

起業まもない頃は、目の前のことにとにかく必死でした。大変だと感じる余裕もないくらいでした(笑)。
まず始めにとりかかったのは、IT事業部での経験を活かした不動産会社向けのホームページ制作事業です。当時、デザイン性に優れ、SEO対策もなされた、反響の取れるWebサイトを作るためには、少なくとも100~200万円はかかってしまうのが普通でした。そして、それだけ高いお金を払って自社のサイトを作ったにもかかわらず、うまく運用に乗せられていない会社をいくつも見てきました。
サイト制作のゴールは、制作したサイトを公開することではありません。ターゲットユーザーに届け、目的の効果を達成することです。
そのための仕組み化を行い、当時の制作相場の1/10で提供できるホームページ制作サービスを作り上げました。 

自ら行動し、経験を積み上げる

しかし、今でこそ安価でホームページが作れるサービスはたくさんありますが、当時はまだ珍しく、実績もない状態からのスタートだったので、営業活動にも必死でした。
圧倒的な熱量で未来を語り、夢とサービスを提供していました。
「そんなに言うなら頼むよ」と言われながらもご契約をいただくと、お客様が私たちの夢とサービスを信じてくださったことに、何ものにも代えがたい喜びを感じました。
すべてが未経験であることに対して、「大変」と捉えるか「貴重な経験」と捉えるかで、その後の人生に大きな差が生まれるように思っています。

ビジネスというものは頭で理解するものではなく、行動して積み上げた経験によって成り立っていくものだと身をもって経験しました。

もちろん苦しい時もありましたが、ここまで全力で取り組めてきたのは、やはりお客様を第一に考えているからです。
私自身、不動産業界出身でいえらぶを立ち上げたので、この業界の人たちをサポートしたい一心で、毎日寝る間も惜しんで仕事をしていました。

クライアント増に伴うサーバー移管を年末年始に泊まり込みで行い、会社で作ったお雑煮でせめてもの正月気分を味わっていたこともあります(笑)。

SaaSという言葉のない時代に

業界を知れば必然だった

その後、SaaS事業を立ち上げたことは、業界を知れば必然だったように思います。
不動産業界は景気の影響を受けやすく、季節で明確な繁忙期・閑散期もあり、波風のある安定的とは言い難い業界です。
そういった観点から業界と真剣に向き合った結果、低コストで業務支援に特化したSaaSを提供すれば、不動産会社の負担を大幅に軽減できるのではないかと考えました。

不動産会社の商材は「情報」です。家そのものや土地そのものではなく、それらの情報が流通し、商品としてユーザーの手元に届いていきます。不動産会社にとって、データベース構築は本来必要不可欠なものです。
しかし当時、データベースの構築を行っていたのは資金力のある大手の不動産会社だけでした。オリジナルシステムの導入には莫大な費用がかかり、少人数で経営している不動産会社には金銭面の負担が大きかったからです。

私たちの業務支援型SaaS「いえらぶCLOUD」は、クラウドサービスの手法により、安価でのデータベース提供を実現しました。
さらに、よりお客様のニーズに合致するサービスを提供すべく、今も週単位でのアップデートを行っています。
時代の流れの後押しもあり、業界に貢献できる範囲がどんどん増えていっています。

複雑なシステムも安価で提供でき、かつ柔軟なアップデートが可能なSaaSは、不動産業界の支援に最適な手法でした。

負けない秘訣は諦めないこと

しかしながら、勢いよく事業が拡大していく中で、多くの課題や困難にも直面しました。
最も辛かったのは、サーバートラブルが続いた時期です。
「いえらぶCLOUDが使えない」「いえらぶのホームページが映らない」といった大きなご迷惑をお客様にかけてしまっただけでなく、謝罪に疲弊するマネージャーや会社の存続を心配するメンバーなど、社内にもよくない影響が出てきて、全員が落ち込んだ暗黒期でした。

今だから言えますが、私もかなりのプレッシャーに生きた心地がしませんでした(笑)。

それでも、代表・岩名との連携をいっそう強めながら、直接現場に入ってメンバーを鼓舞し続けました。当時は岩名が自身もシステムエンジニアとして現場に入り、私は営業サイドを担当する体制を敷いていたので、営業社員と伴走する姿勢を貫きました。

決して諦めず、真摯に向き合うことを続けた結果、お客様からの信頼を再び取り戻すことができ、社内の空気も好転していきました。

経営者が諦めてしまってはビジネスは成功しないと、身をもって知った経験です。
諦めない限り負けはないので、私は勝つまでやり続けます。

不動産SaaSベンチャーへの期待

ただもちろん、いえらぶは代表の岩名のものでも、私のものでもありません。
社員全員の会社だと考えています。

会社を大きくする」という目標は、社会のためにも、社員それぞれのためにも、必要なことだと認識しています。

社員全員にとってのベストな環境を整えるため、リスクがあるからとチャレンジを制限するのではなく、基本をおさえてさえいれば、どんなチャレンジも応援するようにしました。
その結果、新卒2年目社員がグループ会社を立ち上げるなど、さまざまなチャレンジが生まれ、会社の成長スピードも加速したと思います。

事業や組織が拡大できたのは、いえらぶを信じて、夢を託してくれる不動産会社と、ミッション達成に向け、全力で動くメンバーがいるからです。岩名も私も、人に恵まれているなとひしひしと感じます。

2014年には、成長が期待されるベンチャー企業として選出されたベストベンチャー100の中から、最優秀賞である北尾賞をいただき、2019年には「いえらぶCLOUD」が日本国内で優秀かつ社会に有益なクラウドサービスを表彰するASPICアワードにて「ベストイノベーション賞」をいただきました。

これまでの頑張りが、少しずつ世間からも評価していただけていること感じ、グループ経営が形になってきたことを実感しています。

そして現在、いえらぶの社員数は480名を超え、あと一歩で500名の組織です。

まだまだ道半ばですが、今後も、お客様と社会、そして社員に真摯に向き合っていき、ミッション達成に近づいていきます。

後半のインタビューでは、いえらぶのこれからに焦点を当て、ありのままのいえらぶを語ってもらいました。ぜひお楽しみに!