《前編》法改正間近!いえらぶ電子契約のリリース話。

#不動産テック #電子契約 #開発秘話

2021.09.14 TUE

そもそも電子契約ってどんなもの?

電子契約は従来紙で行われていた契約に対して、ネット上で署名を行い日時をタイムスタンプで記録し、復号鍵と暗号化鍵の技術で本人のサインだと証明するもの…ざっくり一言で言えば今までの契約がネット上でできることと言って差し支えないでしょう。

さて、新型コロナウイルスの影響もありいくつかの分野で利用が進み始めている電子契約の技術ですが、不動産業界ではまだほとんど使われていません。

ただし、今年2020年の10月から不動産会社向けに電子契約に関しての社会実験が行われているように、今後は広まっていくとされている技術でもあります。

それでは、どうしてまだ利用されていないのか、不動産業界の現状や今後どうなっていくかの未来などを含めて、両名に聞いていこうと思います。

株式会社いえらぶGROUP

  • 商品開発本部
  • エンジニア
  • 2017年新卒入社

坂野

株式会社いえらぶGROUP

  • 商品開発本部
  • エンジニア
  • 2019年新卒入社

片岡

不動産業界の現状

――電子契約の話に移る前に、現在の不動産業界についてお聞きしたいです。どういった問題があるのでしょうか。

片岡:そういうことなら実際にあった僕の話がいいと思います。

ちょっと色々あって僕東京の物件を探すのに四国地方の不動産会社さんに探してもらったんですよ。
それでいざ契約!となって四国から契約書が郵送されてきて、Skypeでやり取りしながらハンコを押して書類を送りました。
これで契約、やっと住めるー!となっていたところ、3日後に電話があったんです、仕事中に。

その担当の人が言うには、「契約書の裏面のハンコがひとつ足りていない」ってことらしく、書類が送られてきてハンコを1つだけ、ポンと押して送り返すわけです。
そうしたらまた数日後の仕事中に電話がかかってくるわけです。

今度はハンコが少しだけ訂正印に被っていて気になるからもう一度押しなおしてくれということらしく、もう一度押しなおしてやっと契約となりました。ハンコ押すだけだから、本当にそれぞれ数十秒くらいだったんですよね。
そのためだけに無駄に電話したり、郵送費掛けたり、結局予定より数週間遅れたり、でお互いにとって全然いいことなかったです…。

自分にとっては苦い経験です。

坂野:郵送ではないんですけど、僕も実はその手の苦い経験、あるんですよ。

僕は東京の不動産会社だったんですけど、不動産会社にも営業時間があって、定時にウチの会社を出ても間に合わない会社だったんですよ。
期日までに契約書の修正を直接やってもらわないと、物件の仮押さえもできなくて借りられなくなりますよ、って言われてしまいまして…。

週末までの時間もないし仕方ないから、ウチの会社のエントランスまで不動産会社の営業さんに来てもらって会社のエントランスで、ちょこっと修正して契約したんですよ笑

営業の人は颯爽と帰っていたんですけど、お互いにとってとんでもなく無駄だなぁと苦々しく思ったのをよく覚えてます。

片岡:偶然にも2人とも不動産の物件契約で苦い経験をしています。

坂野:これ、例えば契約が電子でできるとしたら、どちらも起こりえない話なんですよね。特に、片岡の件みたいなミスは起こらない。

――書類にミスがあるなら、「これでは契約書が提出できません」って注意が出るだけです。

坂野:物件の更新も、ぶっちゃけただこのまま住まわせてくれればいいのに、わざわざ書類を郵送するのとか面倒じゃないですか。

それに不動産会社の方もレターパックとかで送ってくれるじゃないですか。あれ1つにつき数百円かかるので、それを物件更新する人皆にやってるとするとコストも結構かかると思います。
なんだか申し訳なくなっちゃう笑

――かかる時間に手間、コスト、どこを取っても、今のやり方は不動産会社さんとユーザーのどちらにも無駄がありそうです。

電子契約が不動産業界で何故できていないのか

――直接会ったり、書類のやり取りをしたり。リアルで何かしなくてはいけないが故に、本来よりコストがかかっている現状はよーく分かりました笑
それならどうして不動産で電子契約できないのでしょうか?

坂野:実は、そもそも日本では諾成契約と言って、お互いの合意さえ取れれば契約書で契約する必要はないんです。
だから契約自体は電子でやってもいいし、なんなら口頭でも可能です。

これは20年春の民法改正で可能になったんですけど、これのおかげで既に色々な業界で電子契約が着々と進んでます。

けれども不動産業界では宅建業法によって、一部の取引は制限がかかっています。
その一部があるために、不動産業界では既に多くの取引で使えるにも関わらず、電子契約そのものが敬遠されています。

――なるほど。電子契約とかよく分からないし、使えない取引もあるならやらなくていいやーみたいな感じでしょうか。

片岡:そうです。
使えないのはホントに数パターンだけです。

ただ、今後宅建業法も改正されて制限もなくなるだろうから、そこで一気に変えていくための準備を僕らもしています。

――ちなみに、制限というのはどんなものなんですか?

坂野:ざっくり言うと、仲介を間に挟んだ契約では、契約そのものは電子契約でもOKなんだけど、宅建業法ではその契約の証明を紙で残す必要があります。うーん、なんというダブルスタンダード…。

「いえらぶの」電子契約

――さて「不動産業界における電子契約の今」がおおよそ掴めました。その上でお聞きしたいんですが、いえらぶでも今後、電子契約のサービスを始めるとか。
既に電子契約サービスは世の中にいくつもありますが、あえていえらぶが始める電子契約にはどんな特長があるんでしょうか。

片岡:開発は主に僕がやっているんですが、一番気を遣っているのはパターンです。

――パターン?

片岡:不動産会社というのは思っている以上に多くの業態が存在します。管理か、仲介か、売買か、扱うのはマンションか、戸建か、土地か。不動産会社を利用するお客様も1人ひとり違い、それぞれの事情があります。

そんな違うパターンの人が誰でも使いやすく、分かりやすいシステムにするためにシンプルで最大公約数的なシステムの構築を目指しています

――素朴な疑問なんですけど、それってできるもんなんでしょうか?
どの会社でも、誰でも、っていうのは耳触りはいい言葉ですが実際は難しいような気がします。

坂野:確かに簡単ではないですが、それができるからこそのいえらぶの強みです。
いえらぶには既に、いえらぶCLOUDにおいて、ユーザーが物件を探して内見して契約を申し込むまでの流れをWEB上でできるシステムがあります。
また、そうして物件に住み始めたユーザーの情報を整理する賃貸管理システムも存在します。

そのため、どんな不動産会社がどんな機能をよく使い、どのような契約をするのか、そうしたビッグデータがあります。
これを駆使し、どの業態の人にとっても使いやすいシステムの構築が現実的な話になるわけです。

片岡:だってやっぱり嫌じゃないですか。
せっかく電子契約だー!便利になるぞー!と思ったのに、ウチの業態ではシステムは使えない、使いにくいから導入はしません。みたいなこと

――確かに。期待してた分だけがっかり感はすごそうです。それにおうち探しをするユーザーも残念に思いますよね。

坂野:それともう1つ。大事なことがあります。
「ラクをするためのツールを作る」ことです。

片岡:これは坂野さんが口を酸っぱくして言ってるんですが、「ラクをするためのツールで苦労するようなものを作るな。」も意識して作ってます。


いえらぶ電子契約についてはコチラ
https://ielove-cloud.jp/service/sign/

さっきも言ったように、ユーザーが物件を探す段階ではポータルサイトもあるし、不動産会社がポータルサイトに連動するサポートもできる。内見予約もWEB上でできる上、契約の申し込みだってネット上でできる。
そして契約したあとのお客様や物件は賃貸管理システムを用いることができます。

今までは宅建業法の関係でただ1つ、実際の契約だけがIT化できていませんでした。

今回の電子契約のサービスではそこも電子化できるようになったことで、正真正銘すべての不動産の業務がいえらぶCLOUDだけで完結できるようなります。

――今まで、「契約」というリアルの業務を挟んで分断されていた不動産業務が、電子契約でシームレスにできるようになったわけですね。

坂野:そういうことです。
そして、それが「いえらぶの」電子契約の強みでもあるんです。

これは例えばなんですが、不動産会社が普通の電子契約システム単体を導入したと考えてください。
そうすると、確実に電子契約をする前の作業が必要になります。

具体的に言えば、まず契約する人に関する情報を探す必要があります。契約更新の人の場合も同じです。
人が誰か特定したあとは、どの書類が必要なのか。その後はPDF化して、その人の個人情報を1つずつ入力する必要があります。

そうしてできた書類を送り、やっと電子契約をすることができます。
下手すると、電子契約を導入するよりも手間がかかる、なんてこともあるかもしれません。

ただ、いえらぶCLOUDであれば契約者のデータも契約書のデータも内蔵していますし、誰がいつ契約更新が必要なのか、といった情報も管理されているわけです。
そしてそれを連動させることで、すぐに個人情報入りの必要な契約書の電子データが完成するわけです。
契約後のデータの反映も一瞬です。

そういう不動産作業の細かい部分がスムーズにできること。これもいえらぶだからこその強みですね。

――「どの会社の誰でも、分かりやすく使いやすい」、「不動産業務がすべてシームレスにつながる」この2点が「いえらぶの」電子契約の強みということ、納得しました。

――どちらも不動産会社専門でやってきたからこその強みですね。

「《後編》法改正間近!いえらぶ電子契約がやばい時期でのリリース話。」へ続く

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